第6部 結 語

 

本「理論人間生命学」は、以上のように、書き下ろし式に進める記述方式のため、体系的にはまとまりに難のある進行であったことは認めつつ、なんとかこの結論章にまで到達することができました。

ことに、前章で力説したように、空海を例として、日本の文化的、思想的伝統が、今日の先端科学の成果に匹敵する視界を、何と千二百年も昔に切り開いていたことに、驚きとともに、自分が親しんできた伝統がいかなるものであったのかついても、じつに力強い印象をもって再認識するに至っています。 続きを読む