3.1 理論と経験の結合

《経験的知見》からの合流

この「理論人間生命学」は、その名の通り、理論的な枠組みとアプローチをその開発の方法としてきましたが、他方、兄弟サイトの『両生歩き』において、それを経験的に、ことに「健康」――すなわち健やかな「生命」――というアプローチをへて、ひとつの達成を見ています。

むろんこれは、私的体験に基づいた視点ではありますが、理論という抽象性をその対極から補う具体性において、まぎれもない事実を提供しているものです。 続きを読む

3.2.1 究極の合流

読者へのコメント

この2カ月ほどの間、この理論人間生命学とその関連考察の記述が、一見、曲折した経路をたどっています。そこで読者の混迷を避けるため、ここで状況説明を入れておきたいと思います。

まずその記述の最後のものは、3月7日付の「3.1 理論と経験の結合」です。その後、本論からそれる形で、3月8日付で「『四分の三プロジェクト』への〈下ごしらえメモ〉」、そして3月28日付で「

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3.2.2「氣」という包括概念

                                               

〈直観による飛躍的発展〉

先に議論の筋道を分岐してその前半を掲載しましたが、以下はその後者である〈直観による飛躍的発展〉の詳細です。そしてその「直観」が着目する「氣」についての議論を述べてゆきます。

 

世界を東西に分けるもの

前述した「東西の融合」へと至る「東西」の二元論を、一部その議論と重複させつつ、思考方式という観点から掘り下げてみます。

東洋の考え方の最大の特色とも言えるものは、西洋の「細分化」と対比を成すかのように、〈対象の全体像をまず描く〉こと――これは直観的な発想に拠るものと考えられる――が、広く認められることです。あたかも「初めに言葉ありき」の西洋に対し、「初めに全存在ありき」の東洋です。 続きを読む

3.3「健康」をめぐる時代動向

 

物質と非物質への両属性

この第3部の「移動」すなわち創造性の源の原理をめぐる議論を終結するにあたって、その原理に直結する、健康ことに〈身体と精神の一体化をめぐる健康観〉が、世界では今日までどのように展開されてきているのか、その前世紀後半からの動向をまとめ、あわせて、その潮流における、本「理論人間生命学」のポジションを明確にしておきたいと思います。

この半世紀ほどの流れには、二つの主潮流があります。そのひとつは、前節の最後に 続きを読む