2.1 実験原則の新たな適用

「自然実験」という新ツール

11月28日付の日経電子版の「Global Economics Trends」によると、〈今年のノーベル賞に決まった「自然実験」は、「政策の効果検証に革命」〉とあって、「自然実験」という見慣れない用語を紹介しています。

そこで、この記事を要約してみるとこうなります。

これまでの理論中心の経済学では、制度改革などについて理論が想定する影響を、統計データなどを使って検証しようとしても、改革の前後のデータを単純に比べるだけでは、効果を正確に測定するのは難しかった。例えば、最低賃金の改定や移民問題、教育の効果など社会全体への影響を分析するような場合には、研究者が条件を変えるといった介入ができないため、実験には適さないと考えられていた。

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各論への四本柱

前回までの議論をもって、本「理論人間生命学」は、その導入部を著わすことができました。それにもとづいて今回より、より踏み込んだ詳細の議論、各論に入って行きます。ただ、いかんせん、それがしっかりとした体系としてまとまっているとはまだ言えず、むしろ、これからのもろもろの各論を重ねるなかでその構成も出来上がってくるものと期待しています。そこで、これからの各論では、むしろフレキシブルに進め、最終的にその体系化が成されれば万々歳と考えています。 続きを読む

《My生命》という捉え方

窮極の健康作り

この理論人間生命学が、「理論」という科学の方式と、「生命」という私たちの現実土台との結合をはかろうとの使命を持つものであることは、これまでにも述べてきた通りです。ただ、そうした呼称や設定は、やはり聞こえはどこか学識的で、私たちの日常感覚からは、近寄りにくい感触がぬぐえません。そこで、その「近寄りにくさ」を減らし、それがもっと私たちの日常に身近なものであるとの核心を表すため、ことにそのねらいとする到達域を《My生命》と呼んでみます。 続きを読む