「複雑系」という“同胞”

「非科学-科学」はむろん私の試みた造語であるのですが、その考えが表す方向には、良く見渡してみると、すでに、ことに従来科学の内側から、その壁を崩そうとの同種の動きがあることに気付かされます。

そうした分野が「複雑系」と呼ばれる新分野で、言うなれば、〈現行科学の辺縁な領域を科学的に追究〉している分野です。

そうした「複雑系」について、その先鋭な研究者である金子邦彦は、自エッセイ集の中で、以下のように述べています。 続きを読む

二つの「ダビデ」像

本カテゴリーに掲げられている《自分彫刻》とは、文言上からは、「自分が彫刻」とも「自分に彫刻」とも取れ、この彫刻という働きをめぐって、「自分」は、主なのか客なのか、いずれとも解釈できます。

その真意は「はじめに;〈非科学-科学〉へ向けて 」で述べたように、「自己創出(オートポイエーシス)」的な「芸術制作活動」なのですが、その含みを説明するにあたって、まず以下に、二つの彫刻像(正確にはその写真映像)をあげてみます。 続きを読む

はじめに;〈非科学-科学〉へ向けて

新カテゴリー「自分彫刻」の設置

この「自分彫刻」というカテゴリーは、基本的に、〈非科学-科学〉を論じる場として設置するものです。

と言ってもこの〈非科学-科学〉は、既存の科学を念頭にそのオルターナティブな要素を追究しようとするものですが、既存の科学体系に代わる新科学体系自体の提示を意図するものではありません。あくまでも、私が認識する従来科学への対抗概念を〈非科学-科学〉と名付け、その方向に向けて、既存科学の対象外とされた要素を開拓、追究しようとするものです。 続きを読む

最終章 私式「双対性」の在り方

これまでの7章にわたって、先の「理論人間生命学」の中核概念――「生命情報」――を多角的に描写してきました。そしてここに最終章を迎え、そのように積み重ねられてきた考察を集約し、新たな進展へと展望する、以下に述べる二つの役割と位置付けを確認して、そのまとめとします。

そこでこの「二つの役割と位置付け」ですが、それは、第7章の〈「究極のゴール」との《収れん》〉というタイトルに示唆されています。つまり、その第一は、その「究極のゴール」が、私の具体的人生への「役割と位置付け」――言うなれば「道標」――として、そうであるだろうということです。 続きを読む

第7章 「究極のゴール」との《収れん》

まずはじめに、読者の皆様には、行ったり来たりのお手間をとらせることとなり、まことに申し訳ないのですが、その往復は、この〈非科学-科学〉の構想の創発的バックグラウンドをなす、《双対的》枠組みとその発展である《収れん》の一つの具体的在り方であることを、それをもって例示する意味を持っています。そしてそう往復することによる一種の距離感や移動感こそ、〈非科学-科学〉の構想の量質感の具体的な手ごたえとなるはずです。 続きを読む

サイト訪問統計分析レポート(2023年12月)

突出は落ち着く;日平均訪問者数21%減

ただ、各部門のヒット数は、一部を除きどれもほぼ10月レベルへと戻っており、この点ではこの回復を支持しているようには見受けられません。おそらくこの食い違いは、片や訪問者数、他方がヒット数という、統計上の定義の差の現れたものと推測されます。つまり、ヒットは10月レベルとなっているが、そのうち、所定時間(30分)以上の滞在時間が増えて、訪問者数の増加となっているというものです。 続きを読む

第6章 結局、「科学」って、何?

二本の柱

本2023年のその年末に向かって、建ち上がってきている二本の柱があります。

その第一は、12月初めより始めた、兄弟サイト『両生歩き』の「リタイアメント・オーストラリア」への、《「人生二周目」独想記》の掲載があります。そしてその12月22日号に「山頂なき登山」とのタイトルの次記事を載せます。そこに述べられる要点は、「ガン付きの健康」を持ってする自人生の究極のターゲットは何か、との問いです。 続きを読む

サイト訪問統計分析レポート(2023年11月)

驚くべき上昇;日平均訪問者数93%増

これは、読者の関心が新たなフェーズに入ったかの様相とも解釈されるところです。はたしてこの急増が、一時的あるいは何か限られた理由による偶発的なものか、それとも、本サイトのコンテンツにそれほどの関心が集まり始めたゆえなのか、今後の動向が注目されます。 続きを読む

第5章 私たちの「科学」へ

準備からの一歩

前章では、目標とする「非科学な科学」に向けて、その準備である「中間的体験」を論じました。そこでその準備の上に立って、本章では、ひとつの創造的直観を手掛かりとして、いま一歩、その目標に近づく方途を探ってゆきます。

そしてこの「創造的直観」ですが、それが何かを言うのは容易でありません。いきなりパッとやってきて、そこがスタートでもありながらゴールでもあるような、突如として発火する何ものかです。ここではむしろ、それを説明するためにこそ、本章の議論を進める必要があります。 続きを読む