リセットライフ;「理論人間生命学」第3原則

物質から情報へ

現在のコロナ現象を突き詰めて考えると、生命現象というものが《情報の所産》であることを、あらためて示されていると受け止められます。つまり、コロナウイルスも情報体、私たちの生命も情報体ということで、いずれも、物質現象をとどのつまりまで極小化して行きつく自然の摂理の、二つの在り方での違った現れです。(ついでながら、それがパンデミックであるかどうか、それは二次的、あるいは人為的な問題でしょう。)

ドラマ風に言えば、コロナウイスを、どこでどのように生まれ育ったか、魔力的なほどに影響性を発揮する人間――たとえばトランプ――と考えたらどうだろう。そいつは大いに癖があるのですが、ツボを心得た押しでもって人に取り入り、まんまと流れを作ってしまう。そのあげくは、その毒気キャラクターの鼻息の拡散をもって、並な伝統なぞ吹き飛ばしてしまう。

そんな狂騒沙汰は必須ではないのですが、起こってしまった以上「触らぬ神にたたりなし」で、ふるい分け装置を使って素早く排除できればよいのですが、それを厳密に行えば行うほど、閉塞社会に苦しむこととなります。

ともあれ、人間社会は、モノやマネーの君臨に辟易する時代に至ってはいるものの、長く親しんだその物質ファースト思想に一線を引くのも容易ではありません。それがこの憎まれ者の大暴れを契機として、《物》から《情》へと風向きを変える、転機を迎えているように思えます。

入力、編集、出力という生命の情報三機能

そこでなのですが、私は、そうした人間生命の構造として、身体をその《物質インフラ部》とする一方、脳を――臓器という物質インフラの側面をもちながらも――その《情報インフラ部》であると考えます。そして、人間は、《物質インフラ》の解明は大いに進めてきましたが、《情報インフラ》においては、未だ解明の余地を大きく残しています。

その《情報インフラ部》において、私たちが生きる際の情報発信元として、脳は文字通りのその中枢をなします。そして、そういう脳の情報機能は、「入力」、「編集」、「出力」の三機能に大別されます。

そこで、モノやマネーに一線を引く時代に向かうにあたっては、この三大情報機能についても、そのそれぞれにおいて、十分に探究、活用される必要があるでしょう。

入力」は、生命活動をつうじて、つまり体験による、外界情報の取り込みです。これには、五感覚を通じた最も基礎の情報を始めとし、遊び、趣味、学習、教育、勤労等々の社会体験まで、人生体験すべてと言ってよいものです。

そうした入力された膨大な情報は、私たちの内部つまり脳において、意識、無意識に拘わらずに「編集」処理されて、一定の知識として定着されます。そこでは、記憶、連想、結合、編成、強調、抑圧、抹消などなど、さまざまな情報処理を経ます。

そのようにして処理された情報は、さらに表現として、日常の行動に「出力」されます。それらは、一方では病的な領域から、他方では、芸術といった創造的な領域にまで、限りなく広範囲にわたっています。

加えて、こうした三つの機能は、それぞれ個々に独立、分離されているのではなく、相互に影響を及ぼし合って、非常にダイナミックな発展を見せます。これらの三機能が結合し合い、物質の制御を含め、人間の生命活動の総体をなしています。つまり、私たちの生命活動とは、そうした総体の活動のことです。

スパイラルを創り出す

さらに脳の「編集」と「出力」機能に関連して、脳の働きには、情報処理をもとに、身体という物質機能――インフラ機能――に指令を行います。この働きをもたらす体系化された情報群の、ことにその意識化部分を、私は「理論」と呼んでいます。

そこで、そうした「理論」と呼ばれる情報作用は、身体機能のみならず、さらにその周辺の環境に働きかけ、そこに方向付けを与え、新たに組み立てられた物質環境を作ります。

このようにして、「理論」と「物質環境」が相互に影響を及ぼし合う「スパイラル」が生まれます。

こうしたスパイラルによるせり上がり機能こそ、本「理論」の効果です。そして、そうした効果にもとづき周囲環境との新たな関係を作り上げる作業を「リセット」と呼び、そういう人生を「リセットライフ」と捉えるわけです。

ようこそ『リセットライフ』へ

この「理論」とその「効果」にガイドされた創造の実践展開である『リセットライフ』は、私たちの人生活動に、新たな可能性と次元を提供するものです。

というのは、上記のように物質の働きを情報の機能がまさり始めている時、いまや私たちの人生活動に、「現実」と「架空」という境界線を引くことは無意味な努力になってきています。というより、想像力=理論性をもたない現実は、言うなれば「翼のない鳥」です。それに加えて、コロナ後の現実は、移動も、密接も、呼吸すらも制限される状態で、翼がないどころか、「籠の鳥」同然な囚人化状況が予想されます。

言い換えれば、もはや「現実」は収縮し切ってしまっており、逆に、「架空」の扉を開いて境をなくし、「架空」の「現実化」こそが必須となってきています。

『リセットライフ』の言う「リセット」とは、この《架空の現実化》を意味するものです。

ただし、ここでちょっとコメントを入れておきます。すなわち、「架空」の「現実化」という言葉について、世代によって、その意味するものが変わってくるということです。そして、年齢に応じ、個々人の健康状態に生じる違いも、どんどん広がってゆきます。例えば、私と同年齢(74歳)でも、山歩きを楽しめる人もいれば、階段くらいは足で登ろうとか、あるいは、いつもエスカレーターに頼ってしまうという具合です。つまり、それほどに「現実」の実際の意味が、人によって異なります。そこで、上でいう、《架空の現実化》についても、架空とする目標は人によって異なるわけで、この「リセット」も、ひとそれぞれに、自分にとってのより高い、あるいは、より新しい目標をセットしてみよう、ということです。

そのように、『リセットライフ』は多様かつ多目的で、その究極は脱物質的です。そしてその働き方ですが、それはまず、個人としては、自分のこの先での目標という時間軸にそったものとなるでしょう。

またそれを、社会という現時点での広がりで考えると、ありとあらゆる垣根を取り払った新領域での「つながり」を意味します。それはあたかも、以下のような各々の領域をもつ現存の諸サイトを、網羅するというより、それらの区別すら無意味なホーリスティックなレベルでの遭遇が期待されます。

すなわち、求人、求職、異業種交流、起業案内、ビジネス・コラボレーション募集、サークル案内、ボランティア紹介、出会い、婚活、投稿、そして「ワープ」などなどの諸サイトを包含する働きです。

リセッティングの実行

本サイトでは、そういう《リセッティング》の考えに基づき、現在段階ではまだ試みとしての取り組みですが、その機会創出の方法も手掛けたいと思います。そこで提案ですが、本サイトの「コメント欄」(以下、あるいは「本サイトの利用法」内にあります)を活用して、読者自身によるご自分の発信をされてはいかがでしょう。読者自身と、他の読者との社会的接点という、両面でのリセット機会つくりです。そしてゆくゆくは、本サイト内に、その発信と交流の場――人と人のプラットフォーム――を育ててゆきたいと計画しています。読者のみなさんのふるっての投稿や発信を、大いに歓迎いたします。

  

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