続・《越境》へのリアリティー

B 「移動」という客体的体験

以上は「見え方」という主体的体験に焦点を当てた考察でした。そこで次に、「移動」という客体的体験にもとづく見解です。

上で触れられていた「西洋と東洋の融合」の観点は、先では別の今日的断面において現在の世界の閉塞を克服する観点として取り上げました。しかしこの「《越境》観の展望」の第二の議論では、地理的あるいは空間的〈移動〉という客体的体験の面を取り上げます。 続きを読む