相棒 MaHa、読みましたか、日経の「マネー底流潮流」とのシリーズの9月28日付の記事「AIブームに静かな疑念 『導入で利益は』『融資にリスクは』」(会員限定記事)。
MaHa まだだが、何を報じているのかな?
相棒 じゃあ、その一部を引用しますが、こういうものです。
人工知能(AI)を導入した企業は期待通り利益を増やせるか、画像処理半導体(GPU)を担保に融資を受ける仕組みに危うさはないか。こんな疑念が静かにビジネスの現場で漏れ始めた。AIが勢いを増し、市場では関連株が好調な中、どう受け止めればよいのだろうか。
質問に答える、画像を作成する、小説を書く……。生成AIに「できること」が次々増えたが、その裏側に膨大な「できないこと」の余白があり、企業が活用に苦慮していることを見落としがちだ。
米マサチューセッツ工科大学(MIT)が7月に発表したリポート「ビジネスにおけるAIの現状2025」がそのことを気づかせ、波紋が広がっている。「生成AIへの投資が300億〜400億ドル(4兆5000億〜5兆9000億円程度)に達したにもかかわらず、導入企業の95%はリターンがゼロだ」
MaHa つまり、われわれが働く者サイドで用心すべきものとして指摘していることが、資本家・企業家サイドでも、その収益性との視点から、このAI時代、あるいは「第四次産業革命」についての疑問が出始めていることだね。
相棒 そこでその記事はこうも言っています。
ところが、市場が参考にするこうした業績や株価はほぼAIの供給サイドのものだ。成長をけん引するもう一方の車輪である、導入する側の状況への理解が抜け落ちてはいないだろうか。勢いづく開発企業と、使いこなせない企業の間にあるギャップを、MITは「生成AIの分断」と呼ぶ。AIに「できないこと」が多くあり、企業が十分生かせていない現状を考えると、市場はいずれ影の部分にも注目するようになるかもしれない。
MaHa なるほどね。
ともあれこの記事の言う「AIに『できないこと』が多くあり」、「市場はいずれ影の部分にも注目するようになるかもしれない」って表現は、われわれが指摘してきていることを、あちら側でも指摘し始めたということだ。
相棒 そういうことのようです。
MaHa ということは、彼らも、君の説く「〈心〉理学」や「情知」にアプローチしてくるかもよ。
相棒 さあ、どうでしょう。