「MaHa」の学的最前線(補完章)
ここに「補完章」と題するのは、副次的なものを補うという意味ではなく、既述の議論に、学的体系を根本的に異にする新たな視角を加えるという主旨です。すなわち、これまでの9章は、西洋由来の科学を土台に、その方法的規範である〈要素還元主義〉が切り拓いてきた系譜をたどってきたものです。そして、その最終的な到達点が、その要素還元的手法の行き着いた先端に見出される、科学がまさに非科学的な視点を必要としているとも表現されるその冥界でした。そこに、要素還元に拠らないオルターナティブな学的体系として、遠く古代よりの経験的手法を特徴とする東洋の学的体系に焦点が当てられようとしている壮大な変貌を目撃してきたのでした。 続きを読む