02 老いたる「Q」

「MaHaさん、ぼくは二十代の若造なんだけど、こう言っていいのかな、あなたの“相棒”さんは、昔、二十代の頃、こんなことを言ってましたね。」
「さて、どんなことかな。」
「手記にこう言ってます。『自分が二十代の頃、もう十歳も年上ともなれば、その人を、人とは思っていなかった』と。相棒さんはそれくらい、〈老人嫌い〉だったようです。でもその相棒さんは、今やハンパない、老人ですよね。」 続きを読む

01 量子と短歌

「ねえMaHa、君は〈東洋科学〉って用語を作ったけど、僕は僕で、〈老人学〉ってのを提唱したいんだ。」
「その心は?」
「どちらも経験学。つまり、年の功とか、おばあちゃんの知恵とか言われる、そういう長い間に経験してきた知見の蓄積の学。」
「そうなんですね。いま、世界の先鋭たちが、ビッグデータとかメガ知識とかと言ってますけど、そんなこと、すでに人間は、大昔からやってきたこと。それを今頃になって、全世界の本や書物をデータ化するとか、あらゆる知識のメガデータをプラットフォームにするとかって話だけど、そんなこと、どの老人も心してきたことです。」 続きを読む

MaHaと僕のシェアーライフ


イントロダクション   

いよいよ、「MaHa」のキャスティングがここに設定された。

ちなみに、僕は最近、もう完全にリタイア後の日々の習慣となった「運動」を、ことにある信念をこめて《仕事》と呼ぶようになった。そこでもし、「運動」に限らず、僕のこの生活のすべてをもまるごとその《仕事》と捉えたらどうなのか。そうした発想がきっかけとなって、この設定が生まれた。

同様に、これまで「MaHa」を、あくまでも創作上のキャスト、つまり架空のメタ存在として想定してきたのだが、もし、それを「運動」と同等な、リアル存在としたらどうなのか。 続きを読む