2.2.2 「生きていく」思想(その2)

 思想体系という利器

用語上の原点

ところで、「理論人間生命学」がになうの最大の課題は、いわゆる「科学と非科学」の境界をどう突破し、すでに述べてきた「二重性」の融合がどのように達成されるのかの探究にあります。この問題は、ある意味では、人間の文明がかかえてきた懸案と言ってもよい課題です。

その「 理論人間生命学 」と、本章で取り上げてきている思想体系のひとつとしての「 〈いのち〉の 続きを読む

2.2.1 「生きていく」思想(その1)

 「科学」体系と「思想」体系

「二重性」という出発点

私は、これは誰にもある認識だと考えるのですが、生きる世界とは二重構造になっているとの受け止め方をします。それは、言い古された表現では、「本音と建て前」とか「理想と現実」とか「この世を忍ぶ仮の姿と真の姿」、あるいは、見方を広げれば、「陰と陽」、「プラスとマイナス」、ひいては「雄と雌」などなどが挙げられ、そうした構造を代言しています。 続きを読む